IT技術関連のこと、読んだ本の紹介、実際に買って使ったオススメのガジェットなどなど、書いていきます。

2019/01/06

GoogleHome経由でSlackへ乳幼児の記録(ミルク/オムツ編)


掲題の通り、 GoogleHome 経由で Slack へミルク/オムツの記録をつける方法を紹介します。
既に同じような記事はネット上にあるので何番煎じだ感こそあれど、Slackへの通知というピンポイントなものはなかったので、投稿しておきます。

前置き

動作環境

  • GoogleHome を主とする GoogleAssistant の使えるスマートスピーカー
  • Slack
  • IFTTT

補足

ウチでは妻との連絡は全て Slack でやっているため通知先を Slack にしたのですが、別に通知先は LINE とかでも良いと思います。

ただ、よくあるスプレッドシートへの通知というのはあんまりオススメできなくて。
というのも、アレって GAS で加工しない限りは一番下の行に追加されていくだけなので、溜まっていくと確認が面倒になっていくのですよね。しかも、アプリで開くの重いし。

永続的にログを残す必要もないので、何らかのチャットへ飛ばせば良いと思います。残したかったら、そのチャットをログ化すればよいですし。

経緯

作った経緯は、 2018 年末につぶやいた以下の通り。





手順

GoogleHome

既にアカウントセットアップされていることを前提に進めます。特に何かする必要はありません。

Slack

あらかじめ、 IFTTT から通知をする先の channel を作っておきましょう。
milk と toilet の 2 つを作りました。



IFTTT (ミルク)

New Applet から作成しましょう。

+ this

Google Assistant を選び、トリガには Say a phrase with a number を指定。
それぞれの項目を以下のように。 # の部分が数字になります。

What do you want to say?
ミルク #

What do you want the Assistant to say in response?
ミルク # を記録します

Language
Japanese

+ that

Slack を選び、 Post to channel を指定。
それぞれの項目を以下のように。

Which channel?
Channels
milk

※もしここで、 Channels の一覧に追加したはずの milk が表示されないようでしたら、 IFTTT と Slack の連携を再度おこなってみてください。

Message
🍼ミルク {{NumberField}} at {{CreatedAt}}

絵文字は入れた方が分かりやすいです。


IFTTT (オムツ)

New Applet から作成しましょう。

+ this

Google Assistant を選び、トリガには Say a simple phrase を指定。
それぞれの項目を以下のように。 # の部分が数字になります。

What do you want to say?
うんちした

What do you want the Assistant to say in response?
うんちしたことを記録します

Language
Japanese

+ that

Slack を選び、 Post to channel を指定。
それぞれの項目を以下のように。

Which channel?
Channels
toilet

※もしここで、 Channels の一覧に追加したはずの toilet が表示されないようでしたら、 IFTTT と Slack の連携を再度おこなってみてください。

Message
💩うんち at {{CreatedAt}}

絵文字は入れた方が分かりやすいです。

おしっこも同じように追加してください。ただ、通知メッセージに入れる絵文字にはおしっこっぽいものがないので、ビミョーだなと思いながらも、ウチは以下のようにしています。

Message
🚾おしっこ at {{CreatedAt}}

補足

発動させるワードはお好みでカスタマイズしてください。言いやすいものがベターです。
なお、

What do you want to say?
おしっこした

が反映されるまでに少し時間がかかったりします。というのも、「おしっこした」に対して、デフォルトで GoogleAssistant が反応してしまうからです……

「わざわざご報告ありがとうございます」
「トイレはすぐ近くにあるはずです」

などと返されます。まさかそんな返しがあるとは思ってなくて、ファッ!? となりました。


結果

ミルク


哺乳瓶がイイ感じです。

オムツ


絵文字の有無を見較べてみると、やっぱり、絵文字がある方がパッと見で分かりやすくてよいですね。あと、「した」という、たった二文字なのですが、あると邪魔だなーと感じたので消しました。



むすび


以上です。

こういう、ミルクやオムツの記録をとるためのスマートフォンアプリっていうのは、当然あります。

ただ正直、実際やってみると、両手塞がってること多いし、ミルクあげてる時って口だけは自由に動くからちょっと暇感あるし、後からスマフォ取り出して記録付けるっていうのも面倒だし……、で、スマートスピーカー経由で記録つけるようにするのが、私にとっては最適そうでした。

まだ姪っ子の体験を機にやってみただけで、自分の子供相手に実運用したわけではないので、実運用が始まったら、また追記したりするかもしれませんが……。

2018/12/15

今週の読書紹介(2018/12/03~2018/12/09)『国境なき助産師が行く』


公開遅れたので 12 月第一週(2018/12/03~2018/12/09)からは次の 1 冊を紹介。


小島毬奈『国境なき助産師が行く 難民救助の活動から見えてきたこと』ちくまプリマー新書、2018. ( amazonで見る )

突撃体当たりな感じで国境なき医師団へ応募し、受かり、シリアや地中海船上やレバノンなどを渡り歩き、助産師として赤子を取り上げているという、著者の生き様自体がまずスゴイです。

ただ、それ以上にやはり、世界にはこんな凄絶な現場がまだまだたくさんある、という一端を、平易な語り口調で垣間見ることのできるという貴重な一冊。

アフリカで身売りされ、イタリアへ逃げる中で、手こぎのようなボートに定員超過状態で載せられて圧死する人、そんな中でも生き残って救助船の中で力強く子供を産む人……。子供を産める数がイコール女性の生存価値であり意義であるという世界観の中で、先進諸国の価値観でもって、どこまで「援助」の手を入れていくべきなのか。釣った魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えるべき、とは、言うは易きことで、現実に目の前に飢えている人がいたら釣った魚を与えてしまうものであるけれど、それはやはり、次も魚が与えられて当たり前であると期待されることに繋がっていってしまう。

色々と、考えさせられます。が、底抜けに明るい著者の人柄が、本書全体を通して透けて見え続けていて、悲愴なのだけれども、時におかしくも笑えてしまう。それは、上記のような凄惨な環境下で栄養が足りていないにもかかわらず、人が集まり音楽が鳴り始めると楽しく踊り出してしまうというアフリカの人たちのエピソードを通しても、同じように感じられました。

2018/12/02

今週の読書紹介(2018/11/26~2018/12/02)『人がうごくコンテンツのつくり方』『0秒経営 組織の機動力を限界まで高める「超高速PDCA」の回し方』


今週(2018/11/26~2018/12/02)からは次の 2 冊を紹介。


髙瀬敦也『人がうごくコンテンツのつくり方』クロスメディア・パブリッシング、2018. ( amazonで見る )

世の中のものすべてコンテンツ、という考え方は本当にそうだと思っていて、それってそもそもの認識論、言語による分節化、道具的用法というところと軌を一にしているのですよね。段ボールミカン箱は、人によってはミカンを入れる容れ物であるけれど、人によっては勉強机である。とか、人によっては祖先を供養し拝むべき石碑だけれど、人によっては単なる路傍の石にすぎない。とか。そういう。

いかにして、ただのモノを、コンテンツに昇華することができるのか。そのメソッドのいくつかを、先に挙げたような思考を背景にして、テレビ局に在席していた著者が、紹介してくれるという一冊になります。

とりわけ「言い換え/置き換え」というのはかなり応用範囲の広く効くものだろうなと思いました。面白い例がいくつかありましたが、うち一つとしては、グレープフルーツのことを「イエローメガみかん」と言ってしまうと、途端に「何だ何だ?」と食べてみたくなってしまうような。

ビジネス展開/サービス開発をする上では、人を惹きつけるために、やはり「ネーミング」「キャッチコピー」など、ことばに頼らざるを得ません。もちろん、本書内に書かれていたように、それだけでなくて視覚的インパクト(名前は覚えてもらえなくても「あの、赤い金髪のやつが出てるCM」のようにぼんやりと覚えてもらえるための仕掛け)も必要になりますが、その先、定着させるためには、ことばの力が絶大です。そのことを改めて考えさせられました。


星﨑尚彦『0秒経営 組織の機動力を限界まで高める「超高速PDCA」の回し方』KADOKAWA、2018. ( amazonで見る )

明日倒産するともわからなかったメガネスーパーを驚異的なまでに V 字回復させた現社長さんによる、立て直しの背景にある考え方紹介、という本です。

とはいえ単なる表層的な経営論が述べられているだけというわけでもなく、具体的なメソッドとしても、以下のようなものが挙げられています。


  • 「何もかもを全て腹落ちさせるまで話し合う」という 10 時間ミーティングを毎週月曜に実施
  • それを全社員が見られるように、中継 & アーカイブ公開
  • 社長自身が現場感覚を得るために、全国の店舗を渡り歩く(電話も自分で取るし、ポスティングも自分でするし)

これだけ見ると、社員愛に溢れ愚直なまでに泥臭いことをやっている昭和風な社長という印象を受けられるかもしれませんが、徹底的に数字を見ながら経営の嗅覚を養うため、そして、社員一人一人に経営者の考えを納得させるためにやっている、ということです。

また、

  • 社員の本音を聞き出すためであれば何でもする
  • 社員に動いてもらうためには「いいからやれ」でなく、腹落ちして自らが動き出すように仕向けていくしかない
ということで、むしろ次世代型経営の一端が垣間見えると思います。ここまで力を尽くしておいて、 V 字回復できたのは自分の力ではなくて、社員全員の力だと言いきれるのが、カッコイイ。

  • 他のメガネ屋と異なる差別化をするために自分達の最大の強味である「アイケア( eye care )」を謳って高品質高価格という路線に切り替えた
というのが、回復においての最大の理由であると考えられますが、これを実現するためにどれだけの現場改革がおこなわれなければならなかったことか。これを 3 ~ 4 年ちょっとでやってしまったのが凄くて、勇気づけられました。

2018/12/01

今週の読書紹介(2018/11/19~2018/11/25)『「3か月」の使い方で人生は変わる』『絶滅危惧職種図鑑 これからなくなる厳選65種』


今週(2018/11/19~2018/11/25)からは次の 2 冊を紹介。公開遅れていて既に先週のものですが……


佐々木大輔『「3か月」の使い方で人生は変わる』日本実業出版社、2018. ( amazonで見る )

freee 代表の佐々木さんの本。特別に何かスゴいものがある! というわけでもなく、基本に忠実なことがただただ書いてあるだけなのですが、その「基本に忠実であり続けること」が何よりやっぱり難しかったりするので、そこに強さがあるのだろうなと思わされました。

やらないことを決める。これなんですよね。アイディアが思い浮かんでもすぐには口に出さないで溜めておく、一方で、まずはアウトプットしてから思考してみる、という使い分け/切り替えも大事ですね。

事務的な仕事は生産的でない分、短期的な快楽がある(成果が見えやすい/仕事をしているような実感がある)から、ついつい手を出して時間を使ってしまいがちだし、いつまで経ってもなくならない、というのも、ほんと、その通りだと思います。課題なんですよねーーーー。


七里信一『絶滅危惧職種図鑑 これからなくなる厳選65種』あさ出版、2018. ( amazonで見る )

厳選しても 65 種類も出てくるくらいに、今後の技術革新や生活スタイルなどの変化によって、消えゆくお仕事がたくさんあるというご紹介。それぞれの職業につき一つ一つイラストつきです。

なくなるまでの期間については、今後数年内には、というものもあれば、まだ五十年以上は残るだろうな、というのもあります。なくなるであろう理由については、読んでいけば「そりゃそうだよね」と思えるものがほとんどですが、ソラでこれらを全部挙げていけと言われたらなかなかできることではないので、追認のためにも一通り目を通しておく価値があると感じられました。

著者プロフィールがモリモリすぎるのはちょっとご愛嬌というか……、読むとゲンナリする人は一定数以上いそうなので、あえてわざわざ読まない方が良いかもしれません。こう書くと、逆に読んでみたくなってくるかもしれませんが。

2018/11/18

今週の読書紹介(2018/11/12~2018/11/18)『ひとり情シス』


今週(2018/11/12~2018/11/18)からは次の 1 冊を紹介。今週も小説ばかり読んでました。


清水博『ひとり情シス』東洋経済新報社、2018. ( amazonで見る )

DELL の方がその肩書きを前面に出して著しているものなので、どうしても最後の最後で「ウチが大変なところサポートしますよ」という営業色を見せてしまっています。それをどう思うかは読み手次第ですね。

また、表紙の漫画チックなテイストや、帯についている「深刻化wwww」といったノリは、本文内には全くなく、変なミスマッチになってしまっているのがよくわかりません。一体誰に読んで欲しくてこの外面にしたのだろうか……。

本文の内容自体は、少しでも「ひとり情シス」状態を体験したことのある人であれば、「ああ、わかるわかる、あるある」と頷ける箇所が数多くあります。そして、そんな「ひとり情シス」状態を打開する策について提案が書かれているとかいうわけではなく、「ひとり情シス」というのもそんなに悪いばっかりではないよ、と肯定的なことが応援めいて書かれているのが特徴的です。

「ひとり情シス」状態にどっぷり浸かってしまっていて、もう自分はこの道で生きていくんだと覚悟を決めて楽しんでいる方は、「ああ、あるあるw」と笑えるばかりなので、どちらかというと、「ひとり情シス」状態で精神的に病んできていたり、いきなり「ひとり情シス」状態に突っ込まれて途方に暮れていたりする方に読んで欲しいものと思いました。

2018/11/11

今週の読書紹介(2018/11/05~2018/11/11)『VRは脳をどう変えるか?』『感情とはそもそも何なのか』


今週(2018/11/05~2018/11/11)からは次の 2 冊を紹介。期せずして、内容のリンクするような 2 冊となりました。


ジェレミー・ベイレンソン、倉田幸信訳『VRは脳をどう変えるか? 仮想現実の心理学』文藝春秋、2018. ( amazonで見る )

これまた日本語訳タイトルが的確かどうかという点では首を傾げてしまうのですが、内容の素晴らしさは折紙付です。原題は EXPERIENCE ON DEMAND: WHAT VIRTUAL REALITY IS, HOW IT WORKS, AND WHAT IT CAN DO ということで、直訳するなら、『オンデマンドな体験:VRとは何か、どのように作用するか、そして何ができるか』という感じでしょうか、こちらの方が内容に相応しいです。

本書についても、目次が内容紹介に適切なので挙げておきます。
  • なぜフェイスブックは VR に賭けたのか?
  • 一流はバーチャル空間で練習する
  • その没入感は脳を変える
  • 人類は初めて新たな身体を手に入れる
  • 消費活動の中心は仮想世界へ
  • 二〇〇〇人の PTSD 患者を救った VR ソフト
  • 医療の現場が注目する ”痛みからの解放”
  • アバターは人間関係をいかに変えるか?
  • 映画とゲームを融合した新世代のエンタテイメント
  • バーチャル教室で子供は学ぶ
  • 優れた VR コンテンツの三条件
まずは、既に VR というものが、大掛かりな装置の元では大きく実績をあげているというところから触れられています。アメフトのイメージトレーニングに使われることで採り入れたチームにおいて勝率の劇的な向上が見られたこと。医療現場で PTSD やペインケアとして効果を発揮していることなど。そこでの測定により、 VR での経験は、「VR での経験・体験」ではなく、「実際の経験・体験」と全く同じになっているということが語られていきます。つまりは、「理性では VR なんだと分かっている」ということが、「何も分かっていない」ようになるくらいにまで、既に没入感の高さを実現できているということです。

ここにおいて、 VR は医療や教育のツールとして大きく役立つものとして捉えられるようになりました。もちろん、映画やゲームなどのエンタテインメント、そして、インターネットもそれによって流行ったようにアダルトも、コンテンツとして普及していかなくては、家庭用に一般には広まらないでしょうと予測されています。ただし、二次元平面に向かっていた時代のエンタテインメントのように、ゾンビに襲われたり人を撃ち殺したりといったものは、作られもしないし遊ばれもしないだろうと著者は言います。先に述べた通り、「実際の経験・体験」と同じなので、心的影響が計り知れないものになるからです。軍事的用途としては、残念ながら使われてしまうでしょうが……

VR コンテンツは、非常に安価にコピーできる「オンデマンド経験」になり得ます。これまで、「一対一」だからこその伝播の高さとコストの高さとがあった教授法も、疑似的な「一対一」を作り出すことで、空間的にも時間的にも離れている「一対百」で同じように活用されることでしょう。 VR 空間においては、「本当に相手が人」であろうとなかろうと、「それらしく振る舞うアバター相手」であれば、それは「対人体験」になるといいます。こと VR 空間ではもはや本当に「人でなければ」という「人の居場所」はなく、人の役割は VR コンテンツ(空間)を作ることそれ自体にあるといえるでしょう。

そのあたりの話は、大変興味深く面白く読めていましたが、中でも目から鱗だったのは、「ビデオ通話」が今後は廃れていき、「アバター通話」になるだろうという予測です。相互のアバター情報とベースとなるデータモデリングさえあれば、後はテキストデータのやり取りだけで、お互いの画面上に表示されるアバターが変化していく。こうすれば、インターネットのトラフィックが激減するから、そういうところでも VR 技術は世の役に立つ、というのは、なるほどと膝を打ちました。

きっと 100 人が読めば 100 人が全員面白いと受け取る箇所が違ってくるはずです(いずれの本であろうともそうなのですが、特に) そして紹介の仕方も変わってくるでしょう。何度か読み返したくなる名著と、今この瞬間は思いますが、もしかしたら 10 年後くらいには、「今更読む必要がないくらい常識的な本」などと言われるようになっているのかもしれません。


乾敏郎『感情とはそもそも何なのか 現代科学で読み解く感情のしくみと障害』ミネルヴァ書房、2018. ( amazonで見る )

本当に期せずして、上記の VR 本を読んだ後でこちらを手に取りました。「感情が動く」というのがどのような科学的作用の結果によるものなのか、ということが余すことなく書かれていて、これを読めば、ますます「そりゃ、 VR で感情が動くのは当然だよな」と納得できます。

本書には、巻末あたりに point がまとまっていますので、その中からいくつかを引用しておきます。

  • 感情は、 2 次元で表現できる。
  • 情動は生理的反応、感情はそれに伴う主観的意識体験。
  • 前島によって身体をもつ自己を意識することができる。
  • 眼窩前頭皮質で価値付けられた対象の認知が可能となる。
  • 大脳基底核ループにより、報酬予測誤差や魅力度などの評価を行い、文脈に応じた適切な行動を決定し実行することができる。
  • 私たちが見ている世界は、脳が網膜像から推論した結果である。
  • 網膜像からの外界の構造や状態の推定は、予測誤差最小化で実現できる。
  • 運動するときは、自動的にその結果を予測している。
  • 情動信号の予測信号が感情を決める重要な要因となる。
  • 一時的自己は、自己主体感、自己所有感、自己存在感から構成される。
  • 注意を向けることは、感覚信号や内受容信号の精度を高めることである。
  • INF-α により側坐核のドーパミン低下と活動低下がみられる。これは、快感消失、抑うつ、疲労と相関する。
  • 島において疲労を感じ、前帯状皮質でモチベーションの低下が起こる。
  • うつ病の本質は「炎症」である。
  • うつ病は前帯状皮質膝下部( sgACC )の活動がマーカーとなる。
  • ドーパミン反応は、線条体と腹内側前頭前野ではモチベーションを上げ、島ではモチベーションを下げる。
  • 前島は内受容信号と予測信号の比較器である。
  • オキシトシンによる抑制によって、接近行動が促進される。
  • 不確実さ・共変動バイアス・不耐性は、島と前帯状皮質の活動と関係している。
  • 知覚と認知の境界はない。すべてが切れ目なく互いに相互作用している。
  • 運動野から筋肉に伝えられるのは運動指令信号ではなく、目標となる姿勢の自己受容感覚である。
  • 脳内では、知覚と運動は区別できない。
まとめると、色々なことを決定する中枢となるものは、やはり脳だと言えますが、その脳に影響を与える変数を担うものが全身にあれこれ多すぎて、一つ一つは単一の式で表現され説明されるものであったとしても、総体で見ると複雑系なのではないか……と思いました。

全く知らなかったこととして、「自由エネルギー原理」というのが一点あるのでご紹介。これは、「フリストンが2005年から2010年の間に脳の情報処理の統一理論として構築したもの」 ( 本書 p.124 ) で、ヘルムホルツの「自由エネルギー」から着想を得たとのこと。「各階層から下の階層の状態の予測信号が出力され、上の階層から当該の階層に予測信号が入力される。そして各階層で予測誤差が計算される。自由エネルギーを最小化することによって、外界の階層的な属性が推論される。このように階層的な構造で推論されるので、低次の推論も高次の認知やメタ認知情報の影響を受ける。低次レベルの内受容感覚の予測も高次のレベルにおける内受容感覚の変化の原因の認知の影響を受けるため、感情の2要因論とよく対応している。一方、自由エネルギー原理によれば、予測信号(信念)を書き換えることによってエネルギーの最小化ができるだけでなく、注意や行動を通して入力自体を変化させることによっても最小化が可能である。前者が知覚の無意識的推論であり、後者が能動的推論である。」 ( 同 pp.150-151 )

とにもかくにも、「感情とは何か」という疑問に対する教科書的一冊として、素晴らしく優れたもので、一読をオススメします。

2018/11/04

今週の読書紹介(2018/10/29~2018/11/04)『ファミコンに育てられた男』


今週(2018/10/29~2018/11/04)からは次の 1 冊を紹介。今週は小説ばかり読んでました。



フジタ『ファミコンに育てられた男』双葉社、2018. ( amazonで見る )

「ファミコンに育てられた男」というタイトルに一切の嘘偽り誇張なし。このフジタという芸人さんのことは全く知らずに本書を手に取ったのですが、書面で分かる限りでファミコンの各ゲームのスキルが凄まじく目を剥くほどで、そしてそれ以上にそのスキルを身につけることになった小学生時代の生存環境が壮絶。何がどう凄絶なのかは、ぜひ手に取って確認してみてください。

本書内ではファミコンゲームが 50 本以上が(内 1 本は、 FF4 で、スーパーファミコンではありますが)取り上げられているのですが、著者のゲームレビュー群というわけではなく、それぞれのゲームにまつわる著者の想い出が語られる、という形式です。たまに会いに来る年の離れた兄にあれやこれやで騙されて大人の汚さを知ったり、ゲームセンターで脱衣麻雀の腕を見せつけヒーローになったり、対戦ゲームでハメ技を親友相手に繰り出してそれ以来絶交となってしまったり……、人生の酸いも甘いもたっぷりと感じられます。

ファミコン全盛期に、実際に手に取って遊ぶ機会のあった世代は、「あー、わかるわかる」と頷けることもたくさんあるでしょう。ノスタルジーを感じることもあるかもしれません。それよりもっと上の/若い世代の方でも、単に読み物として興味深く読めるはずです。