IT技術関連のこと、読んだ本の紹介、実際に買って使ったオススメのガジェットなどなど、書いていきます。

2018/09/25

今週の読書紹介(2018/09/17~2018/09/23)『時をあやつる遺伝子』『世界一変な火山』


豪雨激しい今週(2018/09/17~2018/09/23)からは次の 2 冊を紹介。

松本顕『時をあやつる遺伝子』岩波科学ライブラリー、2018. ( amazon で見る )

「時をあやつる遺伝子」って、めっちゃ厨二心を揺さぶられるフレーズですよね。時計遺伝子 ( clock gene ) のことなのですが、ものは云いよう。

さて、本書は時計遺伝子の解説書……というよりかは、時計遺伝子研究史です! 一般書でここまで同時代研究者としての観点もまじえた研究史、それでいてコンパクトに語られているというのは珍しいです。以下、引用します。

「時計遺伝子の研究史をたどりながら、そこで繰り広げられた激しい競争も描くことなら、それを傍で見守り、ときに当事者となり、そしてみごとな負けっぷりを晒してきた私にこそ伝えられる内容に思えた。競争は、ある意味で研究のダークサイド。しかしそれは時計遺伝子研究の発展と不可分だった。この本に、岩波科学ライブラリーの他の書籍とは毛色の違う、少しハードでスリリングな翳りがあるとしたら、そんなところに理由があるかもしれない。」( 本書 p.130 )


山本睦徳『世界一変な火山 知床硫黄山ひとり探査記』サンライズ出版、2018. ( amazon で見る )

「山腹から大量の硫黄がどろどろと流れる、そんな火山は知床硫黄山以外に世界のどこにもない。」 ( 本書 p.180 )

そんな知床硫黄山との出会いから、外国語学部卒という生粋の火山研究シロウトな科学ライターの著者がついには世界的に有名な Journal of Volcanology and Geothermal Research という科学雑誌に論文を発表するに至るまでを、そしてそのちょっと先のお話までを描いた、壮大な、でも至って個人的な、知床硫黄山愛に溢れる一冊。

数千円~数万円程度の研究道具でも、情熱×ニッチな分野という掛け合わせでここまでの成果を出せるという稀有な例です。別にお金をかけないことが美徳であるというつもりはありませんが。何事も、気軽に始めてみるに越したことはないですね。

全ページフルカラーで、写真たっぷり。ついつい、知床に足を運んでしまいたくなることでしょう。もし知床硫黄山に行く場合は十分にお気をつけください。著者も、本気で何度も死にかけていて、本当に、運が良かったというほかないくらいのエピソードが披露されています。

2018/09/17

今週の読書紹介(2018/09/10~2018/09/16)『フランス女子の東京銭湯めぐり』『ホーキング、最後に語る』『世界の路地裏を歩いて見つけた「憧れのニッポン」』


急に秋めいた気候になってきたと思ったら、また夏日が戻ってきたりという、寒暖差激しい今週(2018/09/10~2018/09/16)からは次の 3 冊を紹介。


ステファニー・コロイン『フランス女子の東京銭湯めぐり』GB、2018. ( amazon で見る)

最近、銭湯がますます好きになってまして、何かよい穴場ないかなーと思って手にしてみた一冊。穴場が見つかったわけではありませんが(人気のところばかり!)しかし何とも魅力的なところ揃い。熱々の江戸っ子風呂、さらりとした地下水の透明湯~東京ならではの天然黒湯、 1 万冊以上の漫画読み放題の休憩所つき、女子向けのファンタジックな内装などなど……

銭湯って、行ってみると「あとちょっと広かったら」とか「あとちょっと休憩場所があったら」とかそういうのがあるし、WEB サイトが必ずしも充実していて写真豊富というわけでもないので、こういう本で下調べをするのも良いですね。

あ、フランス女子の入浴写真があるわけではありません、悪しからず。


スティーブン・W・ホーキング/トーマス・ハートッホ/佐藤勝彦/白水徹也、松井信彦訳『ホーキング、最後に語る 多宇宙をめぐる博士のメッセージ』早川書房、2018. ( amazon で見る)

未公開論文とかがない限りは、ホーキング最後の論文ですね。寂しいですね。「最後に語る」とあるのですが、インタビュー形式ではなく、最終論文である「永久インフレーションからの滑らかな離脱?」が収められているだけですので、いつものホーキングによる一般向けの優しい語り口のものではまったくありません。論文については至って難易度高く、専門で理論物理やっていない限りは、その手前に掲載されている解説を見ないと要旨以外サッパリ分からないかと思います。

最終論文以外であるところの、佐藤勝彦によるホーキング略伝と、白水徹也による最終論文に至るまでの足跡を込んだ解説文と、そして、最終論文の共著者であるハートッホのインタビューとは、比較すると平易なので、ページ数も少ないことも手伝って、ホーキング入門の一冊としても手堅いものに仕上がっているように感じられました。

宇宙が永久にインフレーションしていく、というのは、わりかし人口に膾炙した見方となっていると思うのですが、ホーキング=ハートッホ説によると、そういうわけにはいかないということらしいです。

さて、アインシュタイン以来の理論物理学者と云われたホーキング亡き今、量子重力理論の未来はどこにあるのか。ホーキングが育ててきたたくさんの若い芽が花開くのか。今後とも楽しみな分野です。


早坂隆『世界の路地裏を歩いて見つけた「憧れのニッポン」』PHP新書、2018. ( amazon で見る)

著者が若い頃( 2000年前後 )に歩いて回った東欧~中東、それから、最近特に専門的に取り扱っている戦時中日本に関わる東~東南アジア地域について、ルーマニアのマンホールの中をはじめ、戦時中のイラク、内戦前のシリア、太平洋戦争の爪痕残るサイパンなど、あちらこちらにある「日本人の知らない現地人の見る日本」を書き残してくれています。

迂闊にも最近よくある「ニッポンスゲー礼賛」な感じでは全くありません。タイトルからして「ニッポン」という、何というか、何だろう、となる曰くありげな表現を使って煽っている感があるあたり、著者の意図せざる編集者の勝手なるものが覗き見えてしまいます。が、それで敬遠するには、ちと勿体ないような事柄が並んでいます。先にも挙げたようなルーマニアのマンホールの中で「日本に行って働きたい」とつぶやく少年も、まだ戦争の激しくなかったイラクにおいて「日本人なのにグレンダイザーを見てないのかよ!?」とつっこんでくる青年も、まだこの同じ第三惑星地球において息をしているんだろうか、と想いを馳せてしまうくらいには得るものがあります。

やはりというか、東欧~中欧についての章と、東~東南アジアエリアについての章とでは、本人の意識ないところで熱量が違うように感じられました。後者についてがやはり「近い」からなのでしょうね。私はどちらかというと前者の方が読んでいて興が乗ったのですが、それでも、杉原千畝ばかりでなく樋口季一郎について、忘れてはならない! という著者からのメッセージは重く受け止められました。

2018/09/11

今週の読書紹介(2018/09/03~2018/09/09)『とんでもない死に方の科学』『外国語を話せるようになるしくみ』『あたらしくておいしい 日本茶レシピ』


ちょっと公開遅れましたが今週(2018/09/03~2018/09/09)からは次の 3 冊を紹介。


コーディー・キャシディー/ポール・ドハティー、梶山あゆみ訳『とんでもない死に方の科学 もし●●したら、あなたはこう死ぬ』河出書房新社、2018. ( amazon で見る)

『もし●●したら、あなたはこう死ぬ』! ショッキングな書名ですね。でも、こういうタイトルほど、人は惹かれるものです。どうして人はさほどに死に魅入られるのでしょう。でも、ここではその理由 ( why ) にまでは立ち入りません。どのようにして ( how ) 死ぬかに立ち入ります。

あなたがこの本を手にしたとしましょう。目次を開いてみたら、もはやページをめくる指が止まらなくなるはずです。そこには、次のような項目が並んでいます。


  • 旅客機に乗っていて窓が割れたら
  • 乗っているエレベーターのケーブルが切れたら
  • 雷に打たれたら

コワイですね。どれも起こりそうな事故です。そうなってしまった時のために用心してこの本を読んで対策をとっておくとよいでしょう。

さて、他の項目はどんなものが? 見てみましょう。

  • 世界一音の大きいヘッドフォンをつけたら
  • 宇宙空間からスカイダイビングしたら
  • 世界一有毒な物質を口に入れたら

何だかありそうななさそうなことが並んでいます。どうなるんだろう? 気になりますよね。

全部で 45 項目も死に方のシチュエーションが並べ立てられている何とも不謹慎なこの本は、もっともっととんでもない荒唐無稽なものも科学的に、徹底的に科学的に語られています。「スティーヴン・キングとスティーヴン・ホーキングを足して二で割った」(p.10)とは、何とも当を得た紹介文です! さあ、他の項目にも目を向けてみましょうか。

  • 粒子加速器に手を突っこんだら
  • 休暇を取って金星に行ったら
  • 「プリングルス」の工場見学をしていて機械の中に落ちたら
  • ただひたすらベッドに寝ていたら

どうですか、もう、この本を読みたくなって、いてもたってもいられなくなってはいないでしょうか? 最後に、極めつけとも言える項目は、次のものです。

「読書中にいきなりこの本がブラックホールになったら」

さあ、ブラックホールにならないことを祈りながら、本書を手に取ってみましょう。(ちょっとした文体模写で本書の語り口調風に紹介してみました。バチが当たって死にませんように!)


門田修平『外国語を話せるようになるしくみ』サイエンス・アイ新書、2018. ( amazon で見る)

シャドーイングがいかに外国語習得に効果があるかということを、これまでの学術的研究成果をもとに説いていく一冊。いわゆる軽薄な「オレオレメソッド」的なものが紹介されているのではなく、脳科学における臨床試験の成果を中心に、言語習得の道筋が丁寧に語られます。

シャドーイングは、インプット音声を聞いたそばからすぐにアウトプット発声していくというもので、言語習得における次の四サイクルをすべて満たすものとされます。

  • インプット処理
  • プラクティス
  • アウトプット産出
  • モニタリング

まずは 100 万語のシャドーイングを目指してみましょう、ということで、少しやってみようかな……


本間節子『あたらしくておいしい 日本茶レシピ』世界文化社、2018. ( amazon で見る)

日本茶のレシピって……単に飲むだけでは? などと思うことなかれ。飲み方にも色々あります。

開いた後の茶葉に炭酸水を入れるとか、ハーブを浮かべるとか、凍らせるとかは序の口。

ゼリーにしたり、佃煮にしたり、ちぢみにしたり、果てはリゾットまで。「そういうのもあるのか!」と某孤独な人のようになることでしょう。

というかまず、この表紙がたいへんステキですよね。

2018/09/02

今週の読書紹介(2018/08/27~2018/09/02)『アニメビジネス完全ガイド』『病気を治したいなら肝臓をもみなさい』


今週(2018/08/27~2018/09/02)からは次の2冊を紹介。


増田弘道『アニメビジネス完全ガイド 製作委員会は悪なのか?』星海社新書、2018. ( amazon で見る)

製作委員会は悪なのか? と訊かれても、まず、製作委員会って何? という話ですし、そもそも製作と制作の違いとは? というところからですよね。

というわけで、この表題が挙がるまでには、アニメ業界のこれまでの経緯や現状について、データに次ぐデータで明らかにしていき(=衰退している日本産業の中で伸び続けているというデータ)、そして制作、製作、流通という3つがいかにして分業してアニメビジネスを支えているか(ここでは簡単に、制作=クリエイト/製作=プロデュースとだけ)、またそれぞれの中でどんな職種があるか、という細かい説明が経られます。

製作委員会とは簡単にいってしまえばその作品に対する出資者の集まり、というもので、日本のアニメ業界独自に発展してきています。著者による結論は、決して悪と断ずることができるものではない、ということなのですが、その理由付けの詳細が気になる方は本書本文をご参照ということで。

それにしても、構成としてとても良い本だったので、『音楽教育ビジネス完全ガイド』とか誰か書いてくれないものかな。定年過ぎたくらいの会社に縛られないようなポジション取れている人が理想的なんですよね、こういうのは。


高林孝光『病気を治したいなら肝臓をもみなさい』マキノ出版、2018. ( amazon で見る)

まず、肝臓をもむ、という発想がないですよね、普通は。健康な人でも病気の人でも、肝臓が簡単に触れられる位置にある、という認識にないと思います。そう、触れるんですね、いとも簡単に。右側の肋骨の下あたりにあります。

肝臓がいかに人体の中でワイルドカードな働きをしてくれるかについては、たくさんの他の本でも語られていることですが(やってくれること、その数実に、500種類以上)、何はともあれ有名で重要なことは「解毒」ですね。その解毒作用を主とした活動を活性化するには、肝臓に休んでもらう食生活を送るのが一番ですが、それに加えて、揉むと良いですよ、というのが本書の趣旨です。

揉むといっても、いきなりお腹をにぎにぎしてはいけません。本当に皮膚のすぐ下にあるので、迂闊に強く触ると傷ついてしまいます。ボクサーがお腹を守るのは、胃と肝臓への直撃を防ぐためで、もしマトモにブローを受けると立ち上がれなくなるようですね。肝臓の揉み方は、軽く撫でる→撫で回す→上から少しだけポンピングしてあげる、くらいだそうです。これを1日おきにおこなう。もう少し詳しいやり方が気になるようでしたら、本書をご覧ください。

2018/08/27

今月の読書紹介(2018/08/01~2018/08/26)『日本人はなぜ臭いと言われるのか』『怪異古生物考』『日本のヤバい女の子』『JTの変人採用』『ヤクザの幹部をやめて、うどん店はじめました。』『台湾の若者を知りたい』『TRAVEL PHOTO RECIPES BOOK』『40代からのシックスパック』


読んでる本を一冊一記事で紹介していこうかなと思ったこともありましたが、そこまで一冊一冊書いていくことを日課にしていけなそうということで、今月とか今週とかそういう単位でやってみようかと思います。
SEO 的には弱くなりそうですが、なるべくタイトルに詰めてみよう。

さて、今回は初回ということで、今月、というくくりで、 2018/08/01~2018/08/26 の期間に読んだものからいくつか紹介していきます。

桐村里紗『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学』光文社新書、2018. (amazon で見る)

いきなりこの本? という感じですが(笑 なかなかセンセーショナルなタイトルがついているものの、しっかり科学的な内容で参考文献もついてます。

書名の「なぜ」に対するアンサーは、「慣れないものについては嗅覚がより鋭敏に働く」というのが答えになるわけですが、特に日本人が臭いと言われるのは口臭についてのようですね。もちろん、「日本人が」というからには、対比されるのは外国の方々になるのですが、その外国人に対しては逆に日本人側からは香水全開できつすぎるという評価になる。それもこれもやっぱり「慣れないもの」だから。

そうは言っても、臭いと言われるのは気になるもの。でも、この本で一番言いたいとされているのは、匂いとちゃんと付き合っていきましょう、ということです。病気や疾病が原因ではない匂いについては、正しく自分のものとして付き合えばよい。付き合い方の具体的なメソッドもいくつか紹介されています。ただそうではなく、病気や疾病が原因である場合は大きな問題で、特に口臭については歯周病の日本人が本当に多いのでオーラルケアを正しくおこないましょうと説かれています。口臭以外にも、各所体臭(頭皮、顔、等々)の適切なケアの仕方についても紹介されています。

何かと気になる人も気にならない人も一読の価値ありです。


土屋健著/荻野真諧監修『怪異古生物考』技術評論社、2018. ( amazon で見る)

あの神話上の古代生物が、実は絶滅動物の化石から発想されたものだったのでは……!? という空想ならぬ妄想が繰り広げられる一冊。イラストも相俟って、なかなかの説得力があります。

こういうのは、昔から、「世界地図眺めてたら、何か、アフリカと南アメリカのところってくっつくような。これ昔はつながってたんじゃね?」的な大陸移動説やら、「トロイアの文明は絶対にあったんだ! 単なる物語じゃないんだ!」的なシュリーマンさんやらが、色んな人々に呆れられながらも情熱を持って突き進んでいった結果「どうやらそれ事実っぽいわ」と言われるに至ったという例が枚挙に遑ないわけで、この本で語られているユニコーンやらグリフォンやら天狗やらも、いつの日か「あ、この説合ってるっぽい」と言われる日が来るかもしれません。


はらだ有彩『日本のヤバい女の子』柏書房、2018. ( amazon で見る)

自分でイラスト描いてテキストまで書いて、ってできる人は強いなーと、内容以前にまずそこに感銘を受けてしまった(笑

色んな日本の昔話やら神話やら御伽噺やら講談やらから、「え、何なのこの女の子」と思われるであろう人達がピックアップされています。ただそれだけでなく、現代風に切り込んで「分かる、わかるよー」と寄り添って語られています。確かに、めっちゃ理不尽な展開多いですもんね。

なので、「ヤバい女の子」といっても「いや別に女の子自体はヤバくないよ」というケースが多いですし、「ヤバい女の子」に対してだって、「うはww 何こいつw ヤバすぎんだろww」って煽ってるわけでももちろんなく、「こういう背景があるんじゃね?」と擁護されているのがほとんどでした。

昔話(クラシック)は、であるからこそ色んな読み方があるので、古い=退屈などと思わず、温故知新に楽しむのも良いと思います。


米田靖之『JTの変人採用 「成長を続ける人」の共通点はどこにあるのか』KADOKAWA、2018. ( amazon で見る)

twitter の方でも書いてましたが、採用で重視するポイント2点について、 ①能力(ポテンシャル) ②成長度(社風に合っているか) と定義しているのがすごく得心いきました。普通、②をポテンシャルとしそうなものだけれど、確かに違いますね。

①と②は掛け算であって、①能力10の人が②3倍しか成長せず、①能力6の人が②6倍成長できるなら、後者の方が戦力になっていくわけだから、後者を採った方が良いよねっていう。そりゃ、①能力10の人が②10倍成長する、ってのが理想ではあるけれど、なかなかそんな人、いませんし、来ませんね。

あと、良い意味での「変な人」になって仕事を楽しめ、というのが、首尾一貫して説かれていることなのですが、重要なのは、「変な人」になるより前に、若いうちにはひたすらに基本的な仕事を着実にこなして実績を上げて「信用残高」を作っておけ、という点。これが何もないうちに、最初から変なことをやろうとしても、信用されないからダメだよっていう。そりゃそうですね。




廣末登『ヤクザの幹部をやめて、うどん店はじめました。 極道歴30年中本サンのカタギ修行奮闘記』新潮社、2018. ( amazon で見る)

「え、なんでそんな?」とこれまた気を惹かれるタイトルと、良い笑顔の写真で、ついつい手に取ってしまう一冊。「よもぎうどん」のフォントもイイ感じですね。こういうちょっとしたところに職人芸を感じます。

さて、ネタ度の強そうなタイトル/表紙に比べて、中身はかなり重めです。暴排法が本格的に導入されて以後、ヤクザのシノギが減り、彼らが表舞台から消えざるを得なくなっていく一方で、半グレや外国人マフィアが跋扈し始め、そしてヤクザをやめてカタギになった彼らに待っているのも、五年間は銀行口座を作れないというペナルティや、機会を得られても理解が得られないが故の周囲からの暴言……、それらのせいでせっかくの更生の機会もふいにしてしまい、より組織的規律のないアウトローへ堕ちていかざるを得ないという、この現状を何とかしなくてはというのが著者の想いです。

そのためには、成功体験が語られる必要があります。「うまくいくわけがない」ではなく「うまくいく例は確かにある」を示す。もちろん、この本で語られている中本さんは、自身の努力・経験が並外れたものでなかったから掴めた成功ではあるのですが、こうして成功されているモデルケースが世に広まれば広まるほど、カタギになった人達が社会に溶け込むための気風も醸成されるというものでしょう。

本の中では、カタギになってうどん屋を始めるくだりより、それまでの凄絶な話の方が長いのですが、それも含めて、滅多に聞き知ることのできないことを、たった 200 ページという短い中で追体験することができます。


水野俊平『台湾の若者を知りたい』岩波ジュニア新書、2018. ( amazon で見る)

台湾は親日、と言われます。では、日本人は台湾人のことをどれくらい知っているのか? と訊かれると、私も通り一遍の歴史的なことは語れますが、現在の台湾の若者が、どんな小学校~中学校~高校~大学に通っているのか、学事日程は、受験は、就活は、などと訊かれると、サッパリです。(台湾の某メタルバンドは有名だから知ってますが!)

この本には、そんな「いや、ごめん、知らない……」という内容が、実際の若者達への取材を通して語られています。

ただ、日本よりも学歴社会だという割には、新卒一斉入社という文化ではなく、数年のアルバイトやら留学やら家事手伝いやらを経てからの入社、というのが、正直なところいまひとつ理解に苦しみました。実力を積んでいないと入社できない、というのであれば、学歴なんかどうだってよいのでは……? と思ってしまうのですが。ふーむ。


野寺治孝『TRAVEL PHOTO RECIPES BOOK』玄光社、2018. ( amazon で見る)

旅行中、どんなところで写真を撮るとよいのか。その際、どんな構図、どんなカメラ設定、そして光源はどうしたらよいのか。サッパリ分からずただただシャッターをパシパシ押すだけのシロウトにとって、目からうろこが連続で落ち続けること請け合い。

単なる写真の撮り方でなく、「旅行での写真の撮り方」にフィーチャーされているので、旅において気をつけなくてはならないことがしっかり書かれてます。


とはいうものの、単に、綺麗な写真が大判で次々と広げられていって、それだけで眼福であり、「私もこういう写真撮りたい」と思ってもよいし、思わなくてもよい本になっていると思います(笑 それが写真の力ですね。カンバンに偽りなし。


岡田隆『40代からのシックスパック』飛鳥新社、2018. ( amazon で見る)

このブログ記事を書いている時点ではまだまだ40代ではないですが(笑 40代以後の男性が想定読者とされているものの、若い人も女性もみんな読んだらいいんじゃないかと思いました。

ぶっちゃけ単にお腹ワルなんていうのは脂肪落として腹直筋が見えるようになればいいだけで、それだけじゃダメだよ、お腹じゃなくて全身をちゃんと気をつけていかないと。それから筋トレなんてティッシュペーパー一枚一枚重ねていくような気の遠くなる話なので、何よりもまず食事に気を遣おうよ。というのが主旨です。そうして食事に気をつけた上で、効率的に「続く」筋トレメニューっていうのはこういうのがあるよ、と紹介されてます。

ついつい、つらくないと筋トレじゃない、つらい想いをしないと鍛え上げられた身体にはならない、と思ってしまいがちですが、全然そんなこともないですね。各人ムリのないように続くボディメイクをしましょう。

なお、朝ご飯に果物を食べることが推奨されていましたが、柑橘類を朝に食べると、その後すぐに日光を浴びることで肌ダメージが大きくなってしまうという話もあるので、筋トレと肌対策とはまた別に考えなくてはなりません。一つの物事を一つの角度から知って学んで、「学んだ気」になってはいけないということですね。もしかしたらやっぱりつらくないと筋トレじゃないのかもしれません!?(いやさすがにそれはないはず)

2018/08/16

ガジェットのすすめ:「DreamScreen」ディスプレイの周辺を光らせることで臨場感倍増


実際使ってみておすすめ!というガジェットなど紹介していこうかと思います。
まず第一弾は Kickstarter で2年ちょっと前に入手した DreamScreen について。

補足:Kickstarter とは?

初期からあるクラウドファンディングサイトの一つです。色んな「スタートアップ」の製品・サービスに投資することができて、投資額に応じた成功報酬を得られるというものです。
この一年くらいで日本にも上陸してますね。

DreamScreen について

満足度:★★★★★★★★★★(10/10)

どんな製品かというと HDMI から入力された映像信号に応じて LED が光る! というそれだけのものなのですが……(笑
これがディスプレイと組み合わさることで、すごい視覚効果を生み出すんですよね。

百聞は一見にしかずということで、公式動画を見るのが良いと思います。


使い方の説明を経て、実際にデモンストレーションが見られるのは 2分46秒~ になります。

そうなんです。映像がディスプレイの枠を超えた広がりを見せてくれるのです。

これ、部屋を暗くして映画を観るなどすると迫力満点ですし、音楽ライブの映像なんかも臨場感が増し増しになります。ゲームも言わずもがな。今となっては、背景に色が広がってくれないと、物足りなくって仕方ありません。

ということで、動画を見てもらいさえすれば、「スゲー!」となる人はなるでしょうから、あまり私から語る必要もないのですが……

難点は、背後が白い壁であることがマストな環境かなということと、機器によっては対応してくれなくて映像信号が出力されてくれない、ということくらいでしょうか。
製品の仕様上、一度 HDMI 信号を DreamScreen ハブに入れ、そこから再度出力する必要があり、そこで引っかかってしまうことがあるようです。
手元の2015年製の Panasonic ブルーレイ録画再生機器には対応されてませんでした。Playstation4 や amazon FireTV には対応してます。日本国内専用製品に弱いのかなー……と。

それからもちろん、 LED ライトが光る装置をディスプレイの背後に貼らないといけません。ので、プロジェクタをディスプレイ代わりにしていたりすると、これは使えないですね。

今は第二世代の 4K 対応モデルが出ていて、そのうちの HD モデルであれば、200ドル以下くらいで公式サイトから買えるので、オススメです。私は第一世代を Kickstarter で買っていたので、第二世代が出た時には、出資者割引で購入できました(つまり 4K モデルも買ってしまいました・笑)

何にせよ、日本国内はもとより、世界を見回してもまだあまり使われていないであろう製品を使って近未来感を楽しむという愉悦はなかなかに代え難いものがあり、これ自体オススメです。そんなに高くない贅沢!

あと、何気にアプリの出来がイイ感じで、そこそこ頻繁にアップデートかけてくれるのも安心感あります。

2018/08/03

サイト作成にあたっての技術・サービス選定まとめ


今回、サイト作成にあたって技術・サービス選定をしたその経緯を書き残しておきます。

採用したものとその理由
まず最初に採用したものとその理由について。

  • 構成について
    • 静的サイト (GitLab + Netlify) / ブログ (Blogger) であえて切り分けました。
  • GitLab
    • 無料でプライベートリポジトリを持てる。
    • WEB IDE がなかなかイイ感じ。
  • Netlify
    • 無料枠で https ホスティングまでやってくれる。
    • GitLab への commit を自動で拾ってデプロイしてくれる。
    • アセットを勝手に CDN 配信してくれる。
    • GitLab とあわせて自前でサーバ持たなくてもよい。
    • これまで触ったことがなかった。
  • Blogger
    • 無料で https ホスティングまでやってくれる。
    • デザインのカスタマイズがかなり自由度高い。
    • 何もしなくても PageSpeed Insights でそこそこの成績を出してくれる。
    • あまり使ってる人が多くないので、カスタマイズ前のテンプレート利用者もそんなに多くない。
    • これまで触ったことがなかった。

まあやっぱり、無料でサクッといけて、運用も楽というのが大きいですね。

検討だけして見送ったものとその理由
次に、検討だけして見送ったものとその理由について。

  • 構成
    • サイト + ブログを同じ技術/サービスで統一する。
      • 速度など考慮しないとならない点が増えるので却下。サイトトップは開いたら軽快に表示されて欲しい。
      • 統一しようとすると、途端に選択肢が狭まる。
      • やっぱり疎結合が好き。
    • サイト = ブログとする。
      • サイトのトップはポートフォリオ的な「顔」としてブログとは切り分けたいと思ったので却下。
  • リポジトリ管理
    • Github
      • プライベートリポジトリが無料で使えないので不可。
    • Bitbucket
      • 仕事で使っていて飽きたので……
      • そもそも重い。UI が好きではない……
  • ホスティング
    • Firebase
      • もし万が一とんでもないアクセス数に至ってしまったら(無用な心配)金額コントロールが面倒そうなので。
      • あえて Firebase 使うほどのこともなさそうな。アプリケーション作るなど別の機会にしようかと。
    • Github Pages
      • そもそも Github じゃないので……
    • GitLab Pages
      • 選定していたとき、選択肢として思い浮かばなかった……(今思い出した)
    • VPS など
      • 既に一つ別サーバ管理運用しているので、もう一台増えるのはめんどくさい。
      • とはいえ一つはあると便利ですよ、何かと。
    • STUDIO / Wix / Weebly / Jimdo など
      • 自分のドメインでやろうとすると有料になるので……
      • Wix / Weebly / Jimdo は触ったことがあるのでいいかなと。
      • STUDIO はデザイン下案作るには便利そうだなあと思いました。
  • ブログ
    • はてなブログ
      • ピティナ開発者ブログ で既に触っているので……
      • 無料だと https ホスティングできない、広告が入る、など。
    • 他ブログサービス
      • はてブロと同じような感じで。
    • Wordpress
      • 使ったことがあるし、みんな使ってるし、重いし……
      • KUSANAGI まで入れてやるほどか?? という……(KUSANAGI 派のひとゴメンナサイ)
    • MovableTypeDrupal など
      • ブログだけなら CMS 入れるほどではない。
      • 仕事でお腹いっぱい。
    • JekyllHugo など
      • 色々カスタマイズしていくのが面倒そうだなあ……という……

さらに言うと、どれを選んでも https で運用していくのはやっぱりそれなりに手間がかかってくるというのが大きな理由でした。ちょうど http でサイト運用できない時代に突入したばかりなので https でないというのは考え難かったです。

イケてない・不満に思ってる点
最後に、イケてない・不満に思ってる点について。

  • GitLab
    • 特にない。あえていうなら、たまに重くなるときがあるような。
  • Netlify
    • 謎のキャッシュ掴みでサイトが更新されないことがある。
  • Blogger
    • サイトテーマのカスタマイズで XHTML を使われている……
    • AMP (Accelerated Mobile Pages) 対応が困難。
    • Markdown での導入が面倒。結局導入してないで WYSIWYG で書いている。まあ、これはこれで悪くはないかなあ……
    • 編集中、プレビュー画面が横に出ていてリアルタイムに表示されていって欲しい。

こうして挙げてみようとして、あまり思いつかなかったので、今時点で結構なお気に入り・オススメの構成です。